KYOTONOSE.JP 医療法人福耳会 京都駅前耳鼻咽喉科 アレルギー科クリニック

Airway Medicine and Surgery

鼻・副鼻腔から気管支まで
「空気の通り道」のクリニック

診療時間

 
9:30~13:00

13:00~16:00
16:00~19:30

外来休診日:木曜・日曜・祝日

土曜午後(14:00~17:00)は事前の電話予約による手術相談外来・嗅覚外来・予約検査のみとなります。

アクセス

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京都駅より徒歩3分 京都タワー・ヨドバシカメラ北東(烏丸通七条下る東側)

お問い合わせ

京都市下京区烏丸通七条下る東塩小路町735-1 京阪京都ビル1階
開設準備室:医療法人福耳会耳鼻咽喉科いぐちクリニック 
TEL:075-744-1390 
kyotonose2019@gmail.com

耳鼻咽喉科・アレルギー科
開院日4月16日(火)開院予定 
内覧会4月14日(日)10~15時

鼻とアレルギーとにおいのコラム

鼻とアレルギー、嗅覚を専門としている医師、Fukumimiが、
鼻にかかわる様々なことについて、コラムの形で説明しています。

Vol.1
におい(嗅覚)の障害

このような症状で困っている場合、それはにおいの障害、嗅覚障害(きゅうかくしょうがい)と呼ばれる病気の状態である可能性があります。

においはどのようにして感じられるのか?~においの感じ方~

においは鼻の奥の方にある、嗅粘膜という特殊な粘膜で感知します。
ここは通常の粘膜とは違う、嗅神経という神経の先が嗅繊毛という形になって直接「外」(鼻の中の空気の通り道)に飛び出しています。嗅繊毛は粘液(鼻水)に覆われていて、無機物や有機物の分子(においの素)のうち、空気に乗って飛んでくるものが粘液に溶け込み、嗅繊毛の先にある嗅覚受容体に結合し、刺激された受容体からの電気信号が嗅神経を通って大脳に伝わることで「におい」を感じます。

嗅覚受容体はヒトでは約400種類あり、刺激される受容体からの信号のパターンや強度の組み合わせによって様々なにおいを嗅ぎ分けることができるのです。

においの障害(嗅覚障害)の分類

嗅覚障害はにおいを感じる経路のどこで障害がおこるかによって3つに分類されています。発症のきっかけや検査結果から分類していきます。

  1. ①気導性嗅覚障害
  2. ②嗅神経性嗅覚障害
  3. ③中枢性嗅覚障害

①気導性嗅覚障害

副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、鼻中隔弯曲症などが原因となって、においが嗅粘膜に届くルートが遮断されることによっておこるものです。

②嗅神経性嗅覚障害

嗅粘膜に分布している嗅神経自体が感冒などのウイルス感染症や薬剤の影響などにより障害をうけて、においを感じにくくなるものと、転倒などで頭部を打った際に嗅神経の末端(嗅糸)がちぎれてしまうものがあります。

③中枢性嗅覚障害

頭を強く打つような事故などで脳挫傷をおこしてしまった後、または脳の病気(脳腫瘍,脳出血,脳梗塞)などが原因となった嗅覚障害です。パーキンソン病やアルツハイマー型認知症などの神経変性疾患にも嗅覚障害が合併することが知られています。

嗅覚外来を受診する患者さんの内訳は、約50%が鼻炎や副鼻腔炎の方、20~25%が感冒後嗅覚障害の方です。また、15%程度の方が原因不明といわれています。

嗅覚障害の診断

まず、検査の前に:

実は何よりも重要といえるものが「問診・アンケート」です。いつからにおいがわからなくなったのか、何か思い当たるきっかけはないか、どんな風におかしくなっているか、今服用している薬、他の病気の有無、こういった情報をもとに嗅覚にどんな障害がおこっているのかを探っていきます。

主に行う検査:

基準嗅力検査(T&Tオルファクトメトリー)

5種類のにおいが濃度別に8段階に分けられ、薄いにおいからはじめてにおいが分かるまで嗅いでいきます。わかった時点の濃度の平均値で嗅覚障害の程度を判定する検査です。

静脈性嗅覚検査(アリナミンテスト)

肘の静脈から薬剤を注射し、その注射薬が持つにおいが静脈から肺を通って吐く息の中に含まれ、それを鼻の後ろから感じるかどうかを調べる検査です。副鼻腔炎などが原因で鼻の入口からくんくんと嗅いでも全くにおいがわからない方でもこの検査で反応があった場合には、嗅神経はまだ残っていると予想できたりします。

嗅覚同定能力検査(オープンエッセンス)

12枚のカードに刷り込まれたにおいがなんのにおいかを、選択肢の中から選ぶ検査です。この検査はまだ研究段階のものですので嗅覚を特別に専門にしている医師のもとで行われるものです。

副鼻腔CT検査

副鼻腔炎や鼻中隔弯曲症があるか、嗅裂という嗅粘膜が分布する場所の形がおかしくないかなどを調べるために行います。

鼻腔ファイバースコープ検査

実際に鼻の中を診て、嗅粘膜の状態を確認します。

採血検査

血液中の好酸球の割合、アレルギーの有無、亜鉛の濃度などを調べるために行います。

嗅覚障害の治療

原因によって治療方法が変わります。

アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が原因と考えられた場合にはそれらを治すことによって嗅覚障害が治るかをみていきます。鼻洗浄や点鼻薬、内服薬の処方で効果が無い場合は手術による治療をすすめることがあります。好酸球性副鼻腔炎という難治性の副鼻腔炎が原因でおこった嗅覚障害は手術などの後も定期的な内服や再手術を要することが多いです。

感冒後嗅覚障害に対しては漢方薬、ビタミン剤の内服が従来行われてきましたが、最近は嗅覚刺激療法というリハビリテーションが注目されています。感冒後嗅覚障害は数年粘ることで治っていくことがある疾患ですので根気よくリハビリを続けていくのが重要ではないかと言われています。

嗅覚刺激療法

Vol.2
好酸球性副鼻腔炎~難治性の副鼻腔炎~

昔からの「蓄膿症」にかかる人の割合は年々減少かわりにアレルギーに関連した副鼻腔炎が増えています

副鼻腔炎とは、空気が副鼻腔内を循環するための自然のルートが細菌やウイルスによる感染、アレルギーによる粘膜の炎症などにより閉塞し、換気が悪くなった副鼻腔内に膿やポリープが充満した状態です。
この中でも、好酸球性副鼻腔炎と呼ばれる、アレルギー体質が影響した副鼻腔炎は難治性と言われています。血液検査で「好酸球が高い」と言われたことのある方、喘息の持病がある方などの副鼻腔炎は好酸球性副鼻腔炎である可能性があります。

好酸球性副鼻腔炎の症状

鼻汁・鼻閉・後鼻漏・顔面痛・頭痛などがあります。そして、においがわからない(嗅覚障害)がおこることもが多いのが特徴です。

好酸球性副鼻腔炎の診断

耳鼻咽喉科を受診して、副鼻腔CT、ファイバースコープ検査、血液検査にて、

  1. ①血液中好酸球値が高い
  2. ②鼻茸を認める
  3. ③CTにて篩骨洞優位の炎症を認める
  4. ④両側性である

といった項目に当てはまる方が「好酸球性副鼻腔炎の疑い」とされます。鼻茸などを切除して病理組織学検査によって、好酸球の数が多い(顕微鏡400倍観察視野中70個以上)場合に確定診断とされます。

重症度は「軽症」「中等症」「重症」の3段階にわかれますが、血液中好酸球値が5%を超えている方、喘息や解熱鎮痛薬アレルギーを合併されている方は、中等症、もしくは重症の好酸球性副鼻腔炎と診断されます。
そのため、呼吸機能検査、呼気中一酸化窒素濃度測定検査などにより喘息の診断も併せて行うことが重要です。また、嗅覚障害を合併することが多いので、基準嗅力検査や静脈性嗅覚検査といった各種嗅覚検査も行います。

好酸球性副鼻腔炎は厚生労働省指定難病http://www.nanbyou.or.jp/entry/4538)であり、認定された場合治療費の補助が受けられますが、現時点ではまず手術を一度受けていること、重症度が高いことなどが認定の条件になっています。

好酸球性副鼻腔炎の治療

ステロイドの内服・点鼻薬と、生理食塩水による鼻洗浄が基本となります。従来の慢性副鼻腔炎(蓄膿症)の治療として多く行われているマクロライド系抗生剤(クラリス®、クラリシッド®etc.)の少量長期内服治療はあまり効果がありません。

また、手術治療を組み合わせることを勧めることもあります。ただし、手術をすれば完治して二度とケアも薬も要らなくなるといった病気ではありません。
点鼻薬や鼻洗浄だけでは消失しないポリープなどを一旦徹底的に取り除き、鼻洗浄や点鼻薬の効果がより奥まで届くように副鼻腔の構造をリフォームするというのが手術の一番の目的です。

また、喘息を合併している方は吸入ステロイド薬を口から吸って鼻から出す「吸入ステロイド経鼻呼出法」を組み合わせることで治療効果が上がることが期待されています。

好酸球性副鼻腔炎の手術の効果とその後のケア

再手術などを行わずにすむ治癒率は60%程度と言われています。軽度の再発の場合は、外来での処置、内服薬の追加、鼻洗浄の継続などにより様子を見ます。再発したポリープを切除するために再手術を勧めることもあります。

ポリープが再発しやすい疾患ですので、術後の通院処置と自宅でのセルフケアが大変重要となります。
まず、食塩が入ったお湯(41℃前後)による鼻洗浄を自宅で毎日しっかり行っていただき、点鼻ステロイド薬による治療や喘息用吸入ステロイド経鼻呼出法を続けます。

また、抗生剤やステロイド薬の内服などを手術後からしばらくは続けていただきます。診察時に随時ファイバー検査を行います。
また、術後3か月から半年程度でCT検査を行い、手術の効果を確認します。呼吸機能検査や嗅覚検査も随時行っていきます。好酸球性副鼻腔炎の中でも特に中等症や重症の方は、症状に合わせて数年以上長期間にわたって様子をみていく必要があります。喘息や糖尿病、高血圧などの治療が一生涯続くのと同様と考えてください。

最初の1か月は週に1回程度の通院、その後は1~3か月毎の通院が必要です。嗅覚や鼻閉の悪化は再発の目安となるのでそういった場合は集中的に追加治療を行ったりします。

好酸球性副鼻腔炎のCT所見

【参考】好酸球性副鼻腔炎のCT所見
左右の眼の間にある篩骨洞と呼ばれる副鼻腔炎にポリープ(矢印)が充満しています。