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鼻とアレルギーとにおいのコラム

副鼻腔炎による嗅覚障害

嗅覚障害の原因の50%は副鼻腔炎です   

 

においのセンサーである嗅神経が分布している嗅粘膜は鼻腔の奥の方にある嗅裂という部位に存在しています。嗅裂は幅が2mmほどの狭い空間ですので、鼻炎や副鼻腔炎によって鼻の粘膜が腫れたり周囲にポリープができたりすると、におい分子を含んだ空気が嗅裂に届かなくなり、においがわからなくなります。

 

最近増えてきている難治性の副鼻腔炎である好酸球性副鼻腔炎は嗅裂自体にポリープをつくることもあり、さらに厄介です。

 

嗅裂は奥の方にあるため、鼻鏡による通常の診察や、ファイバースコープの検査でもはっきりと異常がわからないこともあります。その場合、CTで嗅裂や副鼻腔の奥の方に異常があるかを確認することをすすめます。

 

副鼻腔炎に対する治療は、従来、抗生剤(クラリスロマイシン)を通常の量より少ない量で3か月以上長期にわたって内服してもらう治療がおこなわれてきましたが、嗅覚がわからないという症状が強くでているタイプの副鼻腔炎にはあまり効果がありません。

また、セレスタミンやリンデロン点鼻薬といったステロイドを使えば一旦嗅覚がもどるが、そのうちまた悪くなるを繰り返しているような場合も他の治療法を組み合わせることができるのかを検討したほうが良いです。

 

嗅覚を取り戻すための手術

副鼻腔炎に対する手術治療である内視鏡下副鼻腔手術は、副鼻腔に溜まった膿や詰まったポリープを取り除くことが主な目的とされていますが、私たちは嗅覚障害をなおすことを目標とするために嗅裂を拡げる処置を加えるなど、嗅裂への空気の通り方を改善させるための様々な工夫を行っています。

ただ、喘息を合併した好酸球性副鼻腔炎の場合、嗅覚障害がまた悪化したりしますので、手術だけで「治る」とは言えません。手術の後も定期的な通院と内服薬や点鼻薬が必要となります。